数年前から人気が増し、今や海外からも観光客が訪れる日本のウィスキー蒸留所。
ジャパニーズウィスキーと聞いて、多くの人が思い浮かべるのはやはりサントリーとニッカウィスキーではないでしょうか。特にニッカウィスキーは2014年に放映された朝の連続テレビ小説「マッサン」の影響が大きかったようです。
そんなニッカウィスキーですが、現在国内にふたつの蒸留所を持っており、一つはドラマのロケ地にも使われた北海道の「余市蒸留所」。私も数年前に見学してきました。
そして、もう一つが宮城県にある「宮城峡蒸留所」です。仙台市内からも近く、仙台の観光スポットを調べると確実におすすめされる有名観光地です。ということで、今回は仙台観光のさいに「宮城峡蒸留所」を見学してきました。
宮城峡蒸留所は地図で見ると微妙な立地にあるため、つい車で行きたくなりますが、できれば電車で行くことをおすすめします。車で行ってしまうと試飲という大きな楽しみが減ってしまいます。
特に仙台市内からのアクセスは良好で、JR仙台駅から仙台線に乗り約30分。蒸留所の最寄駅となる「JR作並駅」で下車します。
駅から徒歩で行くことも可能ですが、ちょっと距離があります。土日祝日であれば宮城峡蒸留所が作並駅から無料シャトルバスを出してくれているのでそれに乗るのが一番楽でしょう。バスの本数は1時間に1本ほどですが、見学時間を考えると丁度良い間隔です。
ちなみに、写真の通りの小さな駅なのでタクシーは期待しない方がいいです。写真の右端に写っているようなマイクロバスに乗り込み、走ること10分。朱色の建物が見えてきます。
バスを降りると、すぐ目の前がビジターセンター(受付)でしたのでさっそく無料見学ガイド(60分)の申込をします。シャトルバスのある土日祝日はやはり混むため、着いてすぐのツアーには参加できないこともあります。この日も20分ぐらい待ちました。
しかし待つことになっても大丈夫。ビジターセンター内にはニッカの歴史やウィスキーの製造工程などが展示されているので有意義に時間が潰せます。
というか、20分ではちょっと足りないぐらいの展示内容でした。もう少しじっくり見たかった…。
特に、このウィスキーの銘柄毎の香りを比べられる展示は面白かったですね。いくらウィスキー好きでも、自宅ではこういう事ってなかなかできませんから。
そんなことをしている間に見学ガイドの時間に。まずはスクリーンで宮城峡蒸留所を紹介する15分ほどの映像を視聴します。ただの宣伝かと思いきやこれが意外とクオリティの高いドキュメンタリー映像でした。見学者の気持ちも高ぶります。
その後は、カルガモの親子のようにガイドさんの後について、説明を聞きながらゾロゾロと蒸留所内を見学していきます。
まずは蒸留所のシンボルにもなっている風格ある建物、乾燥棟を外から見学。大麦麦芽を乾燥させるための施設でしたが、現在は使用されていないとのこと。見学してみると、意外と使われていない建物や見学用の建物が多いことを知ります。
お次は仕込棟へ。ここではウィスキーを蒸留する前の「糖化・発酵」が行われるのですが、現在はすべてコンピュータ管理しているそうです。管理する様子を見学することはできますが、内部の写真撮影はNGでした。
ふたつある蒸留棟のうち、モルトウィスキーが作られる単式蒸留器(ポットスチル)の方を見学することができました。あのシングルモルト宮城峡はここで蒸留されてるんですね。
ポットスチルの上部にしめ縄のようなモノが付いているのがいかにも日本的。やっぱり蒸留器を見ると「蒸留所に来たんだなぁ」という実感が湧いてきます。
そして最後は貯蔵庫へ。大量のウィスキー樽が並べられている様は壮観です。ここでは樽の内部構造や樽に使われる原木の説明、貯蔵モルトの香り体験などができます。
ちなみに、こういった樽で熟成されているウィスキーは水分とアルコールが年間2%ほど揮発していくため、熟成期間が長くなるほど量が減っていきます。これを「天使の分け前」と呼ぶそうです。なんでも天使に分け前を与えているから美味しくなる、という意味だそう。
なんともメルヘンチックな豆知識ですが、こういうのはトリビア的で面白いですね。
写真でご紹介するとあっという間に思えますが、ここまでで40分ぐらい掛かっているので説明も含めてかなり丁寧にガイドしてくれます。
ガイド見学が終わると、お楽しみの無料試飲コーナーへと案内されます。ここでは3種類のお酒を無料で試飲することができます。今回提供されたのは「アップルワイン」「スーパーニッカ」「シングルモルト宮城峡」でした。
グラスが大きいので少なく見えますが、シングルぐらいの量はあると思います。これを3杯となると結構な量。しかも、次のツアー客が来てしまうので20分ぐらいで飲まなければいけません。
ちなみに「ストレートは苦手」という方のために水や氷、炭酸水なども無料で提供されているのでご安心を。至れり尽くせりです。
ただ、さすが蒸留所見学にくる人達というのは基本的には飲める人が多いせいか皆さんすぐ飲み終えて有料試飲コーナーやギフトショップに向かわれていました。
もちろん私も有料試飲コーナーへ向かいます。
メニュー表を見てみると、すでに生産終了している銘柄や高価な銘柄、宮城峡蒸留所限定の銘柄が1杯500円ほどという破格の値段。以前から飲んでみたかった「竹鶴21年」と宮城峡蒸留所限定の「シングルモルト宮城峡 フルーティ&リッチ」を試飲してみました。
竹鶴21年なんて市販で買うと1本数万円はします。これが1杯500円で飲めるとは驚きです。お土産に買いたいウィスキーがあればここで試飲して選ぶことができるので便利ですね。
北海道の余市蒸留所に行った際にも感じましたが、ニッカの蒸留所は無料シャトルバスに無料ガイドツアー、無料試飲など本当に至れり尽くせりです。人件費だってかなり掛かっているでしょうに、それだけお金を落としていくお客さんが多いということなのでしょうか。
えぇ、きっとそうに違いありません…。
余市蒸留所と比べると規模は小さいですが、所要時間は1時間から1時間半ぐらい。仙田市内からのアクセスが良いので仙台観光には外せないスポットです。
ちなみに、仙台駅から向かわれる場合、電車とシャトルバスの時間を下調べしておくことをおすすめします。シャトルバスの時間に合わせて最寄駅に着くようにすると無駄なく観光できるかと思います。
ウィスキー好きには堪らない「宮城峡蒸留所」。興味のある方はぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。
ジャパニーズウィスキーと聞いて、多くの人が思い浮かべるのはやはりサントリーとニッカウィスキーではないでしょうか。特にニッカウィスキーは2014年に放映された朝の連続テレビ小説「マッサン」の影響が大きかったようです。
そんなニッカウィスキーですが、現在国内にふたつの蒸留所を持っており、一つはドラマのロケ地にも使われた北海道の「余市蒸留所」。私も数年前に見学してきました。
そして、もう一つが宮城県にある「宮城峡蒸留所」です。仙台市内からも近く、仙台の観光スポットを調べると確実におすすめされる有名観光地です。ということで、今回は仙台観光のさいに「宮城峡蒸留所」を見学してきました。
仙台からは電車と送迎バスがおすすめ!
宮城峡蒸留所は地図で見ると微妙な立地にあるため、つい車で行きたくなりますが、できれば電車で行くことをおすすめします。車で行ってしまうと試飲という大きな楽しみが減ってしまいます。
特に仙台市内からのアクセスは良好で、JR仙台駅から仙台線に乗り約30分。蒸留所の最寄駅となる「JR作並駅」で下車します。
駅から徒歩で行くことも可能ですが、ちょっと距離があります。土日祝日であれば宮城峡蒸留所が作並駅から無料シャトルバスを出してくれているのでそれに乗るのが一番楽でしょう。バスの本数は1時間に1本ほどですが、見学時間を考えると丁度良い間隔です。
ちなみに、写真の通りの小さな駅なのでタクシーは期待しない方がいいです。写真の右端に写っているようなマイクロバスに乗り込み、走ること10分。朱色の建物が見えてきます。
ガイド付きの無料見学(60分)に申し込もう
バスを降りると、すぐ目の前がビジターセンター(受付)でしたのでさっそく無料見学ガイド(60分)の申込をします。シャトルバスのある土日祝日はやはり混むため、着いてすぐのツアーには参加できないこともあります。この日も20分ぐらい待ちました。
しかし待つことになっても大丈夫。ビジターセンター内にはニッカの歴史やウィスキーの製造工程などが展示されているので有意義に時間が潰せます。
というか、20分ではちょっと足りないぐらいの展示内容でした。もう少しじっくり見たかった…。
特に、このウィスキーの銘柄毎の香りを比べられる展示は面白かったですね。いくらウィスキー好きでも、自宅ではこういう事ってなかなかできませんから。
そんなことをしている間に見学ガイドの時間に。まずはスクリーンで宮城峡蒸留所を紹介する15分ほどの映像を視聴します。ただの宣伝かと思いきやこれが意外とクオリティの高いドキュメンタリー映像でした。見学者の気持ちも高ぶります。
その後は、カルガモの親子のようにガイドさんの後について、説明を聞きながらゾロゾロと蒸留所内を見学していきます。
まずは蒸留所のシンボルにもなっている風格ある建物、乾燥棟を外から見学。大麦麦芽を乾燥させるための施設でしたが、現在は使用されていないとのこと。見学してみると、意外と使われていない建物や見学用の建物が多いことを知ります。
お次は仕込棟へ。ここではウィスキーを蒸留する前の「糖化・発酵」が行われるのですが、現在はすべてコンピュータ管理しているそうです。管理する様子を見学することはできますが、内部の写真撮影はNGでした。
ふたつある蒸留棟のうち、モルトウィスキーが作られる単式蒸留器(ポットスチル)の方を見学することができました。あのシングルモルト宮城峡はここで蒸留されてるんですね。
ポットスチルの上部にしめ縄のようなモノが付いているのがいかにも日本的。やっぱり蒸留器を見ると「蒸留所に来たんだなぁ」という実感が湧いてきます。
そして最後は貯蔵庫へ。大量のウィスキー樽が並べられている様は壮観です。ここでは樽の内部構造や樽に使われる原木の説明、貯蔵モルトの香り体験などができます。
ちなみに、こういった樽で熟成されているウィスキーは水分とアルコールが年間2%ほど揮発していくため、熟成期間が長くなるほど量が減っていきます。これを「天使の分け前」と呼ぶそうです。なんでも天使に分け前を与えているから美味しくなる、という意味だそう。
なんともメルヘンチックな豆知識ですが、こういうのはトリビア的で面白いですね。
写真でご紹介するとあっという間に思えますが、ここまでで40分ぐらい掛かっているので説明も含めてかなり丁寧にガイドしてくれます。
コスパ最高の試飲コーナー!
ガイド見学が終わると、お楽しみの無料試飲コーナーへと案内されます。ここでは3種類のお酒を無料で試飲することができます。今回提供されたのは「アップルワイン」「スーパーニッカ」「シングルモルト宮城峡」でした。
グラスが大きいので少なく見えますが、シングルぐらいの量はあると思います。これを3杯となると結構な量。しかも、次のツアー客が来てしまうので20分ぐらいで飲まなければいけません。
ちなみに「ストレートは苦手」という方のために水や氷、炭酸水なども無料で提供されているのでご安心を。至れり尽くせりです。
ただ、さすが蒸留所見学にくる人達というのは基本的には飲める人が多いせいか皆さんすぐ飲み終えて有料試飲コーナーやギフトショップに向かわれていました。
もちろん私も有料試飲コーナーへ向かいます。
メニュー表を見てみると、すでに生産終了している銘柄や高価な銘柄、宮城峡蒸留所限定の銘柄が1杯500円ほどという破格の値段。以前から飲んでみたかった「竹鶴21年」と宮城峡蒸留所限定の「シングルモルト宮城峡 フルーティ&リッチ」を試飲してみました。
竹鶴21年なんて市販で買うと1本数万円はします。これが1杯500円で飲めるとは驚きです。お土産に買いたいウィスキーがあればここで試飲して選ぶことができるので便利ですね。
北海道の余市蒸留所に行った際にも感じましたが、ニッカの蒸留所は無料シャトルバスに無料ガイドツアー、無料試飲など本当に至れり尽くせりです。人件費だってかなり掛かっているでしょうに、それだけお金を落としていくお客さんが多いということなのでしょうか。
えぇ、きっとそうに違いありません…。
余市蒸留所と比べると規模は小さいですが、所要時間は1時間から1時間半ぐらい。仙田市内からのアクセスが良いので仙台観光には外せないスポットです。
ちなみに、仙台駅から向かわれる場合、電車とシャトルバスの時間を下調べしておくことをおすすめします。シャトルバスの時間に合わせて最寄駅に着くようにすると無駄なく観光できるかと思います。
ウィスキー好きには堪らない「宮城峡蒸留所」。興味のある方はぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。