岐阜県多治見市と言えば、焼き物の街。

愛知県民にとっては常滑、瀬戸と並ぶ焼き物の街として有名です。また名古屋からJRで直通で行けるため、アクセスも良し。

ただ、観光で行く街というよりは、名古屋のベッドタウンという印象が強いのではないでしょうか。かくいう私もそうでした。

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ですが、数年前に多治見駅が大幅に改築され、駅前も整備されずいぶんと様変わりしました。

駅構内に観光案内所ができ、周辺の観光情報も集めやすくなりました。

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私自身、数年ぶりに多治見駅におりましたが、観光はこれが初めて。さっそく観光案内所で近場の観光地を探してみると、面白そうな場所を見つけました。それが「本町オリベストリート」です。


レトロとモダンが混在する「元町オリベストリート」

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本町オリベストリートは、JR多治見駅より徒歩15分。バスもありますが、駅周辺にも色々なお店やレトロな町並みがあるので、散策しながら歩いたほうが面白いと思います。

駅からほど近い土岐川にかかる多治見橋を渡ると、目的地の「本町オリベストリート」が見えてきます。

ちなみにオリベというのは、美濃焼のひとつ「織部(おりべ)焼き」からきているそうです。明治初期から昭和初期にかけて建てられた商家や蔵などが残る長さ約400mの町並みを楽しむことができます。

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洒落たランプの街灯、モダンな建物と建ち並ぶ古民家。まさにレトロとモダンが混在する街並みです。そんなオリベストリートで、最初に立ち寄った多治見創造館でさっそく焼き物の街らしいサービスを発見しました。

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なんと自販機の隣に美濃焼のカップが並べられており、紙コップから陶器のカップに移し替えて飲めるようになっているのです。これは洒落たサービス。ついつい利用したくなります。

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うん、自販機の味には違いありませんが、ちょっとゴージャスな気分になれます。

ちなみにこのカップは明治時代に美濃・瀬戸で量産された透かし絵カップだそう。底に人の顔のレリーフが彫り込んでありました。

さて、一息ついたところで、さっそくオリベストリートをぐるっと歩いてみることに。個人的に良かった場所、おすすめのお店などをピックアップしてご紹介していきます。


織部うつわ邸

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昔の商家を思わせる立派な外観のお店。

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実際、元は米問屋だったそうで開放感ある空間になっています。

2階まであがれるようになっており、小物・和雑貨から美濃焼の陶芸作家の作品まで幅広く取り扱っているようです。奥には抹茶を楽しめる茶室もありました。

展示されている陶器をじっくり眺めてみたのですが、やはり一番に目がいってしまうのはお値段。正直、お高いです…。特に作家さんの一点ものともなると諭吉が数枚は必要になってきます。

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三角屋

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オリベストリートでも個性的な雰囲気を放っていたお店、三角屋さん。

残念ながら、この日はお休みでした。なんでも平日は買い付けのため、営業は土曜と休日のみだそう。昭和40年代にヨーロッパ輸出用に作られたデッドストック陶器などを取り扱っているそうです。

窓際に飾られている雑貨にも北欧っぽさを感じます。またの機会があればぜひ訪ねたいお店でした。

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天地堂

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文豪の作品にでも出てきそうな「これぞ骨董品店」という雰囲気のお店。

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入るのに若干勇気がいりますが、重厚なレトロ感を醸し出す店内には美濃焼をはじめとする様々な焼き物、ガラス製品がところせましと並んでいます。

置いてある品が品だけに鞄をぶつけたりしないよう冷や冷やしながら見て回りました。もし落としたりしようものなら私の財布は一発で破産です。


美濃陶芸の店 井筒

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最後は「たじみ創造館」のお隣にある「井筒」さん。

おもての「店内陶器半額」に惹かれて入ってみると、綺麗な中庭がある奥行きのあるお店でした。靴を脱いであがると、昔の民家を思わせる内装で、ストーブでじんわり暖かくなっていたのもまた良かったですね。

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2階まであり、美濃焼・織部焼など多くの窯元の作品が並んでいます。

陶器類が半額だったので、こちらで小皿とマグカップを購入しました。これでようやく10年は使った珈琲色が染みこんだマグカップを手放せます。ちなみに奮発したと思われるかもしれませんが、大体(割引して)2,000円ぐらいでしたね。

確かに陶芸作家の方が作った一点モノなどは高価ですが、いわゆる量産品は美濃焼・織部焼でもそこまで値は張りません。ネットで検索すれば大体の価格が分かるかと思いますが、ぶらりと訪ねて気軽に買い物が楽しめるぐらいのお値段なのでご安心を。

⇒ 美濃焼・織部焼き


といった具合に、オリベストリートをぐるっと一周してきました。

順路にもよりますが、所要時間は1時間弱といったところでしょうか。町並みも確かに見所ではありますが、メインはお店巡りやお買い物といった感じですね。

そして、もう一つの楽しみと言えば食事です。

ちなみに、多治見では至るところに鰻屋を見かけます。というのも多治見はウナギが名物らしく、多治見市のマスコットキャラクターもウナギと河童伝説をかけあわせた「うながっぱ」なるものだそう。ただ名産地ではないのに名物というのはなんとも不思議な話です。

ですが、今回はウナギはパス!なぜかと言うと、高いからです…。

多治見の人気そば屋「そば処 井ざわ」へ


散策中、気にお店を見つけました。

それが先ほどの井筒さんの近くに店を構える「そば処 井ざわ」さん。平日で町は閑散としているにもかかわらずお店の駐車場は満車でした。

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130年余りの歴史がある家屋をリノベーションしたというお店はシックでモダン。

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お店に入ったは良いものの、自家精粉石臼手打ちとあったので「けっこう良いお値段するのでは?」と心配になったのですが、意外にお手頃価格です。

迷いに迷った結果、お昼の特別献立にあった「サクサクとろろのとろろご飯とそば」をオーダー。そば茶を飲みながら待つこと10分、目の前に品が運ばれてきました。

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さっそく一口食べてみると、蕎麦のぷつんとした歯ごたえと喉ごしの良さを感じます。

比較対象があれですが、さすがにチェーン店の蕎麦とは一線を画すお味。普段その程度の蕎麦しか食べていない私でも違いがよく分かります。うん、美味い!

濃い目のそばつゆが良い味で、とろろご飯にかけていただきます。微かに香る昆布と青のりの風味、ざく切りとろろの食感を楽しみながらささっと完食。最後はそば湯を飲んで一服。

いやぁ美味しかったです。ごちそうさまでした。

ネットで調べてみると、やっぱり蕎麦の美味しいお店として評判のようでした。以下にアクセス情報を記載しておきます。

▼「そば処 井ざわ」



以上、多治見駅から歩いて行ける観光スポット「本町オリベストリート」でした。周辺には美術館やミュージアム、修道院などもあるので時間に余裕あれば足を伸ばしてみるのも良いかもしれません。

ただ周辺と言っても、車で5~15分程度の距離に点在しているので、効率的に回りたいという方は車で行かれることをおすすめします。

皆さんも多治見に行かれる際にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。