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皆さんのなかにもギザ十(ギザギザがついた10円玉)を収集したことがある、あるいは今現在しているという方がいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私もその一人です。


記憶が定かじゃありませんが、小学生ぐらいの時に同級生から「ギザ十は価値がある」、「売れば儲かる」といった話を聞いたのが収集のきっかけでした。今思えば小学生の会話とは思えませんね。


とはいえ、私だってさすがに真に受けていたわけではありません。それでも長年の習慣からか、財布の中にギザ十を見つけるとつい収集してしまいます。しかし実際のところギザ十には本当に価値があるのでしょうか。あるとすればどの程度の価値があるのでしょうか。


ふと気になったので調べてみました。

 

ギザ十(ギザ10)とは?



ギザ十となっている10円玉は、1951年(昭和26年)から1958年(昭和33年)にかけて製造されたものです。(1956年(昭和31年)は未発行)


なぜ10円玉の周囲にギザギザがついて発行されたかというと、以下のような理由から。

ギザの意味

硬貨の周囲のギザ(ギザギザ)は、コインの周囲を削り取って地金を盗む行為を防止する目的で、かつて金貨や銀貨に施されていた刻みをまねたものである。銅貨や白銅貨は地金の価値がそれほど高価ではないため、装飾以上の意味はない。

このギザは同時代の他の硬貨でも見られ、1948年(昭和23年)から1949年(昭和24年)の五円硬貨、1948年(昭和23年)から1950年(昭和25年)の一円硬貨等に存在する。 

出典: ギザ十 - Wikipedia より一部引用

いやぁ、まさかただの装飾だったとは…7年でやめたのはギザギザをつけるコストが無駄だと気がついたからでしょうか。


ギザ十の年代別相場



正直、これに関しては出典元の無い情報ばかりでしたので、参考程度に見ておいた方が良さそうです。また、古銭取扱店などで、この額面通り買い取って貰えるということでは無いのでご注意ください。多くの店舗は買い取り対象とはしていないようです。


昭和26年(1951年) 15円
昭和27年(1952年) 11~12円
昭和28年(1953年) 11~12円
昭和29年(1954年) 11~12円
昭和30年(1955年) 15円
昭和31年(1957年) 0円(※未発行)
昭和32年(1957年) 25~30円
昭和33年(1958年) 60~70円


本当に価値のあるギザ十とは?



残念ながら、ギザ十だからというだけではそれほどの価値があるわけでは無いようです。


1951年から1958年の間だけでも大量に発行されていますし、その多くは経年劣化と摩耗で汚れてしまっています。完全未使用品などにはプレミアがつくようですが、オークションなどを見ても完全未使用と言えそうなものは極少数でした。


では他にどういったギザ十に価値があるのか、順に見ていきましょう。


発行枚数が少ない昭和33年の10円

 
ギザ十の発行枚数を年度順に並べると次のようになります。

日本貨幣カタログ2011年版[1]による。

 1951年(昭和26年) - 101,068,000枚
 1952年(昭和27年) - 486,632,000枚
 1953年(昭和28年) - 466,300,000枚
 1954年(昭和29年) - 520,900,000枚
 1955年(昭和30年) - 123,100,000枚
 1956年(昭和31年) - 発行されず(未発行)
 1957年(昭和32年) - 50,000,000枚 
 1958年(昭和33年) - 25,000,000枚

出典:ギザ十 - Wikipedia 

つまり、昭和33年の発行枚数だけが著しく少ないことが分かります。とはいえ、2500万枚は発行されているので、市場価値がつくのはやはり美品とのこと。ただ、ギザ十の使用済み硬貨のなかでは最も価値があるようです。

⇒ 昭和33年 ギザ10


鳳凰のデザインが異なる昭和26年の10円 

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出典:http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Icho/7932/gizahouou.html

昭和26年発行の10円玉は、 表に描かれている鳳凰堂の屋根の上にいる鳳凰のデザインが異なっています。具体的には、足がやや長く、尾っぽが上を向いているのだとか。ただ、かなり極小であるため裸眼で確認するのは骨が折れそうです。


一時期、同年のコインには金が含まれているという噂が流れたようですが、調べた結果、金混入率は0.0004%で貴金属としての価値は無いと結論付けられたそうです。


今では流通量そのものが少ないので価値はあるようですが、市場でそれなりの値段がつくのはやはり美品とのこと。 ちなみに以前、ヤフオクに出品されていた昭和26年の10円玉(未使用)には3600円の入札が入っていました。

昭和26年 ギザ10



エラーコイン(のギザ十)

これはギザ十に限らず、エラーコインそのものに価値があるようです。ギザ十だと付加価値がつくといった具合でしょうか。例えば、以前ヤフオクでエラーコインの1円玉が280万円で落札されたことがありました。

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出典:ガジェット通信

流石にこれはエラーし過ぎなんじゃないかと思いますが、ここまで来るとパッと見では硬貨かどうかも分かりません。これを出されても1円玉として受け取る人はまずいないと思いますが、153件もの入札が入り、280万円で落札されたというのですから驚きです。愛好家には堪らない一品なのでしょう。


ここまでのエラーでなくとも、「穴が少しずれている」などの場合でもかなりのプレミアがつくようです。


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出典:テレビ東京 - なんでも鑑定団

ちなみに以前、テレビ東京の「なんでも鑑定団」という番組に持ち込まれたこちらのエラーコイン(10円玉)には「明らかに偽造」という鑑定結果がつけられていました。


このようにエラーコインと言われる物の中には偽造品が含まれている可能性もあるので、お気をつけ下さい。


まとめ



いかがでしょう。価値のあるギザ十は見つかったでしょうか。


ちなみに、この記事を書きながら自分の持っているギザ十も調べてみたのですが、残念ながら価値のあるものは無さそうです。すべて昭和27年~32年発行のものでしたね。やはり昭和26年と昭和33年のギザ十は手に入りにくいようです。


とはいえ、ギザ十自体の流通量が減ってきていますし、これからますます減っていくことでしょう。あまり落胆せず、「記念に持っておく」ぐらいに思っておいた方が良いのかもしれませんね。


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