
“ハイカラ”という言葉はもうほとんど死語ですね。ただ、「小樽」という街を表現するにはぴったりの言葉なんじゃないかと個人的には思います。
ということで、札幌を夕方に出て夜は小樽で過ごすことに。
札幌から小樽までは車で1時間弱で行けてしまうので、札幌⇒小樽というルートで観光する人は多いんじゃないでしょうか。
そういえば北海道に来て、久しぶりに長距離を運転したのですが、北海道の道路は広くて車も少なかったので非常に走りやすかったです。ペーパードライバーになりかけていた私としては良いリハビリになりました。
時刻は夕方、うっすら暗くなりはじめた小樽の街並みはお洒落ですが、どことなく郷愁的。ただ街中を歩くだけでも楽しいと思えるような街です。

小樽でも一段と目立つ威厳あるこの建物は「日本銀行 旧小樽支店」。今は資料館になっています。
日銀の支店があったことから、ここの通りは「日銀通り」とも呼ばれており、金融機関も多かったことから以前はこの辺り一体は「北のウォール街」と呼ばれていたそうです。
今でもこの周辺は金融機関が多く、西洋風の建物が数多く見られます。

その近くには旧国鉄「手宮線跡地」も残っており、現在でも廃線跡のほとんどが保存されているのだとか。といっても、区間は2.8kmと短く、駅数も2駅しかなかったようですが。
この辺りがまだ「北のウォール街」と呼ばれていた頃にはきっと活躍していたのでしょうね。 私は鉄道ファンではありませんが、こうして線路がずっと先まで続いていく後景というのは見ていて心惹かれるものがあります。



たった数百メートル歩いただけで、町の雰囲気がガラっと変わっていくのもこの街の面白いところです。興味を惹かれる建物は数あれど、無いのは時間と予算だけ。予算はもちろん、旅行ではニートも時間に追われます。

そして9月ともなれば日も短くなり、あっという間に夜がきます。
小樽といえばやはりこの景色が有名ですね。小樽に関する雑誌やパンフレットでは必ずといっていいほど、このアングルからの写真が載っているような気がします。
うん、メディアにプッシュされるだけのことはあり、本当に綺麗です。
運河を挟んで、左側にはレトロな倉庫群、右側には西洋風な建物、一見するとアンバランスとも思える後景が見事に調和して良い雰囲気をかもしだしています。小樽の街灯がオレンジがかっているのも一役買っています。
さて、ここでの最大の目的はこの小樽運河をクルーズをすることです。写真に写っている小型船に乗り、夜の小樽運河を周遊することに。


小樽運河を40分かけてゆっくりと周遊していきます。船頭さんが小樽の歴史や名所などを説明してくれたり、汽笛を鳴らしたりしてくれたりと景色以外にも楽しめる要素は多いです。

Uターンして戻る途中にあった、存在感のあるこの建物は「北海製罐 旧第3倉庫」。
大正時代に建てられたというこの建物は、横を通るとなんだか軍艦のような威圧感があります。鉄筋コンクリートの武骨さをここまで感じる建物って今時なかなかお目にかかれません。
船頭さんの話しでは、運が良いと建物に灯りがついている時があり、それがまた何ともいえない良い雰囲気だそうです。また、映画やドラマの撮影などでもたびたび使われているのだとか。確かに独特の雰囲気があります。

最後はこの頭上すれすれの橋の下を通って帰航。
うん、大満足の40分でした。
夜を迎えるとさすがに長袖が必要でしたが、寒いということはなく、気持ちのいい夜風にあたりながら小樽運河を回ることができました。9月の北海道は気候的には良い時期ですね。本当に過ごしやすかったです。
これから秋が深まっていくと、運河から見える紅葉なんかも期待できそうです。次があるかは分かりませんが、もしあるとしたら今度は昼のクルーズをしてみたいと思います。そして、できることなら2~3日は滞在したいと思えるような街でした。
もし小樽を観光されるのであれば、ぜひ小樽運河をクルーズされることをおすすめします。橋の上から眺める運河は間違いなく絶景ですが、運河から見る小樽の街もまた素晴らしい景色でした。