前回記事:2泊3日の北陸の旅 2日目 ー福井県・越前松島水族館・東尋坊編(2日目)ー

いよいよ北陸旅行も最終日。雲一つない晴天の朝です。

前日、ビジネスホテルに泊まった私は朝から無料バイキングをがっつきます。

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奇妙な盛り付けですいません。和も洋もへったくれもありませんね。食べたいものを適当にとっていたら、まとまりのない朝食になってしまいました。

それにしてもビジネスホテルの朝食というのは、なぜこんなに魅力的なんでしょうか。初めてルートインを利用しましたが、種類が多く、味も申し分ありませんでした。これで無料というから驚きです。ただ、どう考えても食べ過ぎました。ニートは“無料”という言葉にはめっぽう弱い生き物なのです。

少々重くなり過ぎた腹を抱えてホテルをチェックアウトしたら、今日の目的地である「永平寺」へと向かいます。
 
福井駅東口から出る永平寺行きのバスに乗ること約30分、永平寺門前に到着。

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バスの停留所が「永平寺」と「永平寺門前」の2つありますが、「永平寺門前」で降りると目の前が永平寺なので便利です。さっそく、正門に続く山道を歩いていきます。

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あぁ、澄んだ空気を感じます。

ニート生活で薄汚れてしまった私の心が、浄化されていくような気がします。いい機会なので、ここぞとばかりにこの清浄な空気を体内に取り込んでおくことに。

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そして、この通用門から先が参拝者ルートになっています。門の両脇にある黒板に白字でなにやら書いてありますが、これは参拝者へのルールが記載されています。(クリックで画像が大きくなります)

ルールと言っても、常識の範囲内であるマナーのようなものですが、その中に一つだけ目を惹く一文がありました。

一、修行僧には直接カメラを向けないでください。

肖像権に厳しいというのは、このネット社会においては大切なことですからね。私もなるべく人様の写真には写らないように気を付けていますし、人様が写ってしまわないよう気を付けています。載せる写真も顔が判別できるような箇所は修正しています。

しかし、きっとそういう事ではないのでしょうね。なにか修業的な意味合いがあるのでしょうか。

拝観料500円を支払い、なかに入ります。土足厳禁ですので、靴下かスリッパで中を回ることになります。5月なので良かったですが、冬場は足元が厳しいことになりそうです。

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巡回ルートに沿って歩いていくと、最初に通されるのがこちらの「傘松閣(さんしょうかく)」。

見所は天井一面に描かれた「天井絵」。別名、「絵天井の大広間」と呼ばれており、ここでは一般の研修・宿泊部屋としても使われているそう。

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渡り廊下一つとっても歴史を感じます。凄いのはこれだけ広いのに掃除が行き届いているということ。靴下で歩き回っても全然汚れませんでした。自宅の廊下の方がよっぽど汚いぐらいです。

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いい風が通ります。気がついたら15分ぐらいぼーっと座っていました。とことん癒されます。

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耳を澄ませば、どこからかお坊さんたちの読経が聞こえてきます。

ちなみに、ここ永平寺では修行体験もできるようで、毎年多くの個人・団体が体験を希望しているそうです。1泊2日と3泊4日のコースがあり、修行僧に準じた修行が体験できるのだとか。私も参加してニート生活で腐りきった性根を叩き直して貰った方がいいのかもしれません。

寺内では同年代と思われる若い修行僧の方を大勢見かけましたが、何というか皆さん佇まいが凛々しかったですね。これが心身を鍛えた男の姿というやつでしょうか。私もせめて猫背ぐらいは治そうと思います。

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永平寺参拝における所要時間としては、さっと回って1時間。のんびり回って2時間といったところでしょうか。

永平寺そのものは広いのですが、参拝者ルートが整備されており、それに沿って見て周ることになります。見学できない箇所も多いので、思っていたより時間はかからなかった印象を受けました。

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さて、永平寺を出ると、土産物屋と飲食店が軒を連ねる通りをぶらぶら歩いていきます。この辺りはまさに観光地ムードといった感じ。永平寺での殊勝な気持ちは消え、意識は昼食へと切り替わります。

永平寺のお土産と言えば、やはり「ごま豆腐」が有名。店のおばちゃんの営業トークに乗せられて、私も一つ買ってしまいました。まぁ買おうと思っていたのでそれは良いんですが、それよりも「ごま豆腐」の種類の多さに驚かされました。

味の種類も多過ぎて、もう何が何やらという感じ。正直、「それは豆腐と言えるのだろうか?」と思うような商品もちらほら。観光地とはいえ、ちょっと商売の臭いが強すぎる気がしますね。

そんなこんなで営業トークをかわしながら土産物エリアを通り過ぎ、昼食は帰りのバス停近くにあったお店「永平寺そば亭 一休」さんでとることに。

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5月とは思えないぐらい暑かったので、さっぱりした「おろしそば」を注文。

注文が入ってから湯がくようで少し時間は掛かりますが、その味は本格的。薬味をたっぷり入れたダシの効いた汁につけて、ずるっといけます。さっぱりしていて美味しかったですね。普段、年越し蕎麦ぐらいしか食べないので、旅先で食べる蕎麦も良いものです。

しかもバス停がすぐ近くなので、バスが来るまでゆっくり店内で待てるのも助かります。

帰りは福井駅行きのバスに乗り、福井駅東口で下車。時刻は15時過ぎ、帰るには早すぎるし遠出をするには遅すぎる、という中途半端な時間です。

「そういえば福井駅周辺の観光をしていなかったな」と思い、Google先生にどこか無いかと尋ねてみると、周辺で2箇所よさそうな場所を教えてくれました。

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それが「北の庄城址・柴田公園」です。

福井駅から徒歩5分~10分。柴田勝家が築造した北庄城があったとされる場所です。中央奥には、柴田勝家の銅像が鎮座しています。
北の庄城址・柴田公園には柴田勝家が築城した北庄城の天守があったとされています。北庄城は天正3(家紋1575)に築城がはじまり、織田信長の安土城天守(7層)をしのぐ、9層の天守閣をもつ日本最大級の城だったと記録にのこっています。

出典:福井市  北の庄城址・柴田公園のご案内
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その柴田勝家像の後ろには、お市の方像と、三姉妹(茶々、初、江)の像が並んでいます。公園の規模としては本当に公園という感じでさっと見て周れる広さですが、「日本の歴史公園100選」に選ばれるなどここは歴史的にも価値のある場所となっています。

しっかりお参りさせて頂いたのち、今度は福井県庁の方へと向かうことに。地図で見ると分かりますが、福井県の県庁舎と県警本部は面白い場所にあります。



福井城跡地の中に建っている為、完全にお堀に囲まれている状態。

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橋を渡り、県警の隣を通った先にあるのが、最後の目的地「福井城址」です。

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城址といっても、残っているのは天守台跡の石垣の一部のみ。

ただ、ここからはお堀を挟んで福井市内を眺めることができるので景色も楽しめます。春には桜の名所として4月1日~30日までライトアップがされていたようですが、一ヶ月遅かったですね。

そんなこんなで、福井駅周辺をぶらぶらしているうちにもう夕方。

最後に駅でお土産を買い、東口から出る名古屋行きの高速バスへと乗り込みます。名古屋までの所要時間は約3時間。特急電車より少しだけ時間はかかりますが、3000円で座ったまま名古屋まで帰れることを思えば、疲れた体を休めながら帰る手段としてはアリです。

福井には以前、少しだけ立ち寄ったことはありましたが、泊まってきちんと観光したのは今回が初めてかもしれません。福井といえば知名度の高い2大観光地「東尋坊」と「永平寺」が特に有名ですが、駅周辺でも新しい価値をつくっていこうという活気を感じる街でした。地域の活性化を肌で感じられるというのは大切なことだと改めて思いましたね。

北陸新幹線が金沢に開通してはや一月半。金沢への観光客は激増し、これからも増えていくことでしょう。そして、2022年には福井県にも新幹線が開通します。開通する前の今だからこそ、福井を訪ねてみるというのも良いのではないでしょうか。