おはようございます。太陽の光が目に沁みます。徹夜なんてするもんじゃありません。

ここ最近、自宅周辺がえらく騒がしいです。12日と26日の統一地方選挙の影響で4月に入ってからというもの、ずっと選挙カーが自宅周辺を回っているのです。

それはいいんです、もはや風物詩です。「あぁ、何か言ってるなぁ」ぐらいの距離感だったので気にもしていなかったんですが、先ほどGEOでレンタルした映画を観ようとDVDをプレーヤーに入れようとした時のこと。
選挙カー
お騒がせしております。○○でございます!○○の地区の皆様、しばらくお話をさせてください!

いや…何で自宅の真ん前でやるかね?しかも声が大きい。とてもDVDを観れるような状況ではなくなってしまいました。仕方が無いのでご高説が終わるまで待つことに。

もしかしたら選挙の演説を最初から最後まで聞いたのはこれが初めてだったかもしれません。 

その候補者はそこそこベテランの方のよう。男性で年齢は50代~60代前半といったところでしょうか。政治家としては油が乗っている時期なのかもしれませんね。その先生は選挙カーから降りてくるなり、外に誰も出ていない住宅地に向かってこんなような演説を始めました。
「お騒がせして申し訳ありません。○○、○○でございます。」
「この町を良くしたい、その一心でこれまで○○年間やらせて頂いてきました。」
「これからも皆様が安心して暮せる町作り、子供たちが安心して暮らせる町作りに全力を注いで参りたいと思います。」
「皆様のお力で、どうかこの○○、○○を市政の場に引き上げてください。」
「ご支援ありがとうございます。○○です。」
「どうか最後まで○○をご支援頂きます様よろしくお願い致します。」
「○○、○○、○○をお願いします。」 
もっと色々な言い回しはしていましたが、私が覚えている限りではこんなところでしょうか。逆に言えばこの程度の内容しか頭に残りませんでした。

ただ、バッチリ名前は頭に入っていました

具体的に何をどうしていきたいのか、いわゆる具体的なマニフェストらしきものは一切無かったように思います。それでいて、耳障りの良い言葉を堂々と話しているせいか謎の説得力を感じます。

そして名前だけは聞いた人の頭にきっちり残していきます。演説内容を文字に起こすと、その大半は名前だったかもしれません。これが10年以上議員をやっているプロの演説技術というものなのでしょうか。

思えば、選挙活動というものは私達が物心ついた時から一向に変わりません。

・名前をひらがなにする
・名前を連呼する
・耳触りの良い言葉を多用する
・声の大きい人間を味方につける

書いていて思い出しました。おそらく人生で最初に選挙というものを経験した「小学校の生徒会役員選挙」なんかも候補者の子供達がこうした行動をとっていたなぁと。街中で選挙を目にした子供たちはこう記憶するんでしょうね。

「選挙とはこういうものだ」と。

最近は騒音問題になっている地域も多いようですが、やはり地方(田舎)では街頭演説は有利なのでしょう。 目が合えば若造にも満面の笑顔を向けてしっかりと握手をする、頭を下げる。あれで心を掴まれてしまうお年寄りがたくさんいるというのも分かる気がします。

先ほどの演説を聞いた人は、きっと投票日、投票所で誰を書こうかと候補者の一覧を眺めた時にこの先生の名前に目が留まることでしょう。地方選挙ぐらいだと候補者に誰がいるのかも知らずに投票に行く人も多いですから。そんな時は「とりあえず名前を知っている人に投票しよう」と思ってしまうのが人間のサガというもの。

うまいことやってます。

ところで世の中には『選挙屋』なる職業があると聞きます。候補者を当選させることで報酬を得る仕事なんだとか。アメリカの大統領選ともなると『選挙参謀』とかいうカッコイイ役職になるようです。選ばれたら名誉な職だそうですが、日本人の感覚ではどうも胡散臭さを感じてしまいます。

統一地方選挙レベルでプロの『選挙屋』が居るのかはわかりませんが、以前、我が家の近所に選挙事務所を構えた候補者がいました。横を通った時にチラリと覗くと、狭い事務所内にスーツを来た関係者らしき人間がわらわら居て驚いたことがあります。

バイトの選挙スタッフという感じの装いではありませんでしたし、見るからに高給で働いていそうな雰囲気を纏っていました。彼らは何者だったのでしょう。選挙には金がかかると言いますが、村議、町議、市議、県議クラスでも色々な思惑と金が動いているのでしょうね。

まぁ、私には一生縁が無い世界です。